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脳・神経疾患を専門として一貫した医療介護の提供を目指す美原記念病院

美原記念病院 院長 美原盤先生

群馬県の南部、伊勢崎市にある美原記念病院は、1963年の開設以来、脳・神経疾患の患者さんを中心として、急性期からリハビリテーション、在宅復帰まで、一貫した医療・介護を提供するケアミックス型病院です。院長の美原盤先生に、同院の特徴や取り組み、院長としての思いを伺いました。


美原記念病院とは?—その特徴と取り組み

脳・神経疾患の患者さんを中心に、病期にかかわらず一貫した医療・介護を提供

美原記念病院は1963年に開設されました。開設から48年間は文部科学省が所管する学術研究法人として運営され、2012年には内閣府より公益財団法人として認定されました。

2019年6月現在、8つの診療科と189の病床を備え、脳・神経疾患を専門として、急性期からリハビリテーション、在宅復帰まで一貫した医療・介護を提供しています。

 

【美原記念病院の診療科(2019年6月時点)】

・脳神経内科

・脳神経外科

・整形外科

・リハビリテーション科

・内科

・外科

・放射線科

・循環器内科

 

【美原記念病院の病床数(2019年6月時点)】

・一般病棟(DPC対象):45床

・障害者施設等一般病棟:45床

・回復期リハビリテーション病棟:83床

・地域包括ケア病床:16床

 

当院のような特定の病気を専門とする病院は、急性期からリハビリテーション、在宅復帰までつながる一連のプロセスに対応することで、患者さんが必要とするサービスを切れ目なく提供できると考えています。

当院では、脳卒中などの脳・神経疾患の患者さんに対し、急性期医療を担う一般病棟(DPC対象)で手術やt-PA静注療法、血栓回収療法などを行います。回復期リハビリテーション病棟では、継続的なリハビリによってADL(日常生活動作)の維持・改善を目指します。そして、障害者施設等一般病棟は、パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病に特化しており、患者さんは、主にレスパイトケア(*短期入所介護)やリハビリを目的として入院されます。

さらに、併設の介護老人保健施設「アルボース」や訪問看護ステーション「グラーチア」などと連携を密にとり、退院後の医療・介護まで切れ目なく提供できる体制を整えています。


病棟ラウンドのデータに基づく病院運営

当院のポリシーは、徹底的にデータに基づいた運営を行うことです。

当院には、情報管理を担うチームがあり、診療情報管理士や看護師をはじめとする多職種が集まっています。これにより、各病棟で収集したデータを迅速に管理・分析でき、実際の診療情報に基づく業務改善、経営分析、医療の質向上などが可能になります。

職員一人ひとりがデータに基づく病院運営の一部を担うことで、自分たちの業務を細部まで理解し、客観的に現状を把握することができます。それは、病院全体における業務の改善、ひいては医療の質の向上に必要なプロセスだと考えています。

 

脳・神経疾患の臨床研究によって日本の医療の質向上に貢献することを目指す

当院は、病理解剖の際に脳や脊髄などの神経系組織を保存する「ブレインバンク」を有します。ブレインバンクで保存された組織は、脳・神経疾患の医学研究に活用され、医学の発展に貢献します。このように、脳・神経疾患について病期横断的な臨床研究を行い、その研究成果に基づく知見を広めることで、日本全体の医療の質向上に寄与することを目指しています。


美原記念病院 院長としての思い

美原記念病院は、1963年に父が開設した病院です。兄も医師でしたし、私自身、医学部を卒業してからは大学院で動物実験による脳虚血に関する研究に没頭していたこともあり、正直、自分が美原記念病院を継ぐことになるとは思っていませんでした。それでも、恩師の「どこに行っても研究はできる」という言葉に背中を押され、当院に経営者として戻ってきました。

 

 

わが国では、生活環境の改善、食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩などにより死亡率が低下しており、それに伴い平均寿命が延伸し続けています。高齢になれば、複数の病気を抱えることも珍しくはありません。当院においても、脳・神経疾患のほかに、糖尿病、腎不全、がんなどを抱える患者さんは増加しています。このような変化のなかで、私たちはこれからも、患者さんの病気の治療に加えて、いかにして自宅での生活に戻れるかを考慮し、医療・介護サービスを提供し続けていきたいと考えています。

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