介護・福祉 2026.01.08
患者さんの笑顔を見られることが大きな喜び――未経験から介護福祉士へ
医療法人大誠会 内田病院 介護福祉士 萩原 歩香さん
群馬県沼田市にある医療法人大誠会 内田病院。同院は患者さん一人ひとりを生活者として尊重し、長年「身体拘束ゼロ」を掲げて、それを実践してきました。そうした内田病院で介護福祉士として働く萩原 歩香(はぎわら あゆか)さんは未経験から介護の現場に飛び込み、国家資格である介護福祉士の資格を取得されました。「患者さんの笑顔を見る瞬間がとても嬉しい」と生き生きと語る萩原さんに、介護の仕事を始めたきっかけ、日々の仕事内容、やりがい、今後の目標などについて伺いました。
介護福祉士を目指したきっかけ
介護の仕事に就く前は、地元のスーパーマーケットで働いていました。高校を卒業してすぐに就職したのですが、スーパーで働いているうちに「何か資格のある仕事に就きたい」と思うようになりました。ただ、もともと勉強をすることに苦手意識があり、学校に通って一から勉強する自信がなかったことから、実際の現場で働きながら資格を取れる仕事や職場を探し始めました。そうしたなかで出会ったのが内田病院です。職員への資格取得の支援が手厚いことを知り、思い切って応募をしてみました。
実は、最初は医療事務の求人に応募していました。しかし面接で話をしている中で、面接官から「笑顔がとても素敵だし、人と話すのが好きなら介護士の仕事はどう?」と言っていただいたのです。当時、介護士不足の問題がニュースで取り上げられているのをたびたび目にしていたのもあり、介護の仕事にチャレンジしてみることにしました。
介護士として就職後は、実務者研修を経て、介護福祉士の資格を取得しました。実務者研修の期間も合わせると、丸3年くらいは勉強と仕事の両立でしたね。毎日の仕事で時間が限られている中での勉強は大変だったのですが、勉強する時間を確保できるように病院が休みなども調整してくれてとても助かりました。また、資格取得に向けて最後まで頑張ることができたのは、2年前に亡くなった母の存在が大きかったです。闘病生活を続ける母をどうにかして支えたいという気持ちが、介護福祉士の資格取得の原動力になりました。
現在の仕事――患者さんやスタッフとの積極的なコミュニケーションを心がける
介護福祉士の資格を取得したことで、新入職員を教育する際に、資格を取る中で得た知識や技術を生かしながら指導ができるようになりました。それまでもチームのリーダーを任せていただき他の介護職スタッフに指導する場面もあったのですが、自信を持って伝えられるようになったと感じています。また、患者さんと接する中でも、勉強したことを意識しながら患者さんの気持ちに寄り添ったケアや言葉がけができるようになったと思います。
現在は、医療的なケアが必要な患者さんが多く入院している病棟で働いています。午前中は情報共有のミーティングや、患者さんの入浴準備と入浴介助がメインの仕事です。入浴準備の際は患者さんと挨拶をしながら、お一人おひとりの体調を注意深く観察するようにしています。入浴中も「昨日はどうでしたか?」「よく眠れましたか?」など、積極的にお声がけをすることを心がけています。午後は、お風呂に入れなかった患者さんの清拭、リネン交換、レクリエーションなどを行います。また、病棟勤務であることから看護補助者としての役割を担っているため、チームの一員となれるよう看護師と綿密な情報共有をしながら、日々仕事をしています。
また、当院では外国人技能実習生*も受け入れており、実習生たちへの指導も仕事の1つです。現在はインドネシアから4名の実習生が来ていて(2025年12月時点)、日本語でのコミュニケーションが難しい場合も多いのですが、実習生たちが一緒に仕事がしやすい環境をつくることを大切にしています。
*外国人技能実習生:国際貢献のために開発途上国への技能・技術・知識の移転を図ることを目的とした制度の下、日本において一定期間(最長5年)に限り実習を行う外国籍の実習生のこと。
「患者さんの笑顔」が大きなやりがい
介護福祉士として心がけていることは、常に患者さんと目線を合わせながら、患者さんがどうしたいのか、どうしてほしいのかをよく聞き、一人ひとりに合わせた答えを導き出すことです。患者さんの気持ちを読み取るのは難しいことではありますが、相手の気持ちを尊重しながら毎日のケアの中で積極的にコミュニケーションを取り、「目の前の患者さんに何ができるのか」を考え、実践することをとても大切にしています。
日々大変なことはありますが、毎日の仕事はとても楽しいですし、患者さんの笑顔が見られたときは介護福祉士の仕事をしていて本当によかったなと心から感じます。当院は慢性期の病院のため、繰り返し入退院される患者さんもいらっしゃるのですが、私の名前と顔を覚えてくださっている患者さんもおられます。再入院されたときに「萩原さんだ!」と笑顔でおっしゃってくれたときは、本当に嬉しかったですね。
これからの目標――医療現場で培った経験を生かして施設でも働いてみたい
今は、患者さんが笑顔で退院できることを一番の目標に日々仕事をしています。また、現在は病院という医療現場で働いていますが、将来的には患者さんが生活の場として利用する施設でも介護福祉士としての経験を積みたいと思っています。病院において介護福祉士は看護補助者としての役割が大きいのですが、施設では介護福祉士が主導的な立場として現場を引っ張っていく必要があります。介護福祉士の医療知識がより求められる現場だと思うので、病棟で積んだ経験をいつか生かせたらよいなと思います。
介護の仕事に興味があれば挑戦してみてほしい
介護の仕事というと、世間一般的に「きつそう」「大変そう」などマイナスなイメージを持たれがちだと思います。患者さんの命を預かっているので、確かに楽な仕事ではありませんが、医療・介護の現場でチーム医療の一員として活躍できる誇るべき仕事だと思っています。看護師やリハビリテーションスタッフなど異なる職種のスタッフから学ぶことも多く、日々やりがいを感じています。私のように「何か資格がほしいな」「介護の仕事にちょっと興味があるな」と思っている人は、ぜひ介護の世界に飛び込んでみてほしいなと思います。





