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徹底的なリハビリで患者さんを日常生活に戻す−大久野病院のポリシー

大久野病院 院長 進藤晃先生

東京都西多摩郡にある大久野病院は、徹底的なリハビリによって患者さんを日常生活に戻すことをポリシーに掲げ、地域医療に貢献しています。「地域に貢献しなければ、これからの日本で慢性期病院が生き残るのは難しい」と語る院長の進藤晃先生に、その思いや、同院における慢性期医療の実践についてお話を伺いました。


大久野病院のポリシーとは?

徹底的なリハビリによって患者さんを日常生活に戻す

当院は、回復期リハビリ病棟、医療療養病棟、介護療養病棟を有し、徹底的なリハビリによって患者さんを日常生活に戻すことをポリシーとしています。また、法人内に、外来診療、訪問医療・看護、訪問リハビリを備え、在宅医療を必要とする患者さんのケアを行っています。このような体制により、患者さんが自宅に戻ったあとも、継続的なケアを提供することが可能です。

 

このような運営体制の根底には「社会に活かす医療の提供」という理念があります。

地域に貢献し、住民の方々に「大久野病院があってよかった」と言っていただけるような医療を提供しなければ、これからの日本で慢性期病院が生き残るのは難しいでしょう。私たちは、ここ西多摩地区で地域医療に貢献するべく、患者さんのために日々の診療にあたっています。

 

  • 西多摩地区(西多摩医療圏)の特徴

 

 

 

西多摩地区(青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町)の人口は40万人弱。高齢化と過疎化の進展を背景に、2040年には30万人ほどに減少すると推測されています(国立社会保障・人口問題研究所 2015年データ)。

 

当地区は、地域医療構想のなかでは全国でみられる傾向と同様に、慢性期病床が多く、回復期病床が不足しています。全体的な増床の予定はありませんが、医療療養型・介護療養型の病床数は都平均の約3倍あり、地域住民にとっては安心して過ごせる環境となっています。

*地域医療構想・・・将来人口推計をもとに、2025年に必要となる病床数を4つの医療機能ごとに推計し、地域における病床の機能分化と連携を進める取り組み。その目的は、超高齢社会にも耐えうる医療提供体制を構築すること


大久野病院における慢性期医療の実践

  • 摂食・嚥下ケア−耳鼻咽喉科医による嚥下内視鏡検査など

当院では耳鼻咽喉科医(非常勤)が嚥下内視鏡検査を担当し、さらに、検査の際には歯科医、歯科衛生士も同席して、摂食・嚥下機能の評価や義歯の調整などを行います。専門的な摂食・嚥下機能の判定は、適切なケア・治療につながるため、病院としては採算度外視で積極的に取り組んでいる部分です。

 

  • 排泄ケア−可能な限り尿道留置カテーテルは抜去する

当院では、尿路感染症の予防を目的として、可能な限り尿道留置カテーテルを抜去するよう努めています。

 

  • 栄養ケア−食事の間違いを防ぐための徹底的な管理

病院の食事は、減塩食や刻み食といったように患者さんごとに内容が指定されていることが多々あり、正確に提供する必要があります。そのため当院では、食事の提供間違いを防ぐために徹底的な管理を行っています。食事の提供時には、品目ごとに数をカウントして登録されている情報と照合します。

 

「100%安全な医療」はありえません。ですから、当法人ではそのことを前提に、ミスの回数を減らすこと、ミスを早期に発見して被害を最小限に抑えることを目的とした品質管理に真摯に取り組んでいます。次の記事では、当院における質・安全の取り組みについて、ご説明します。

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