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大誠会グループの取り組み−地域といっしょに。あなたのために。

内田病院 理事長 田中志子先生

医療法人大誠会は、沼田市にある内田病院に加え、訪問看護ステーションやデイサービスを含めた幅広い事業を展開しながら、地域医療に貢献しています。施設の経営にとどまらず「地域づくり」に力を注がれる理事長の田中志子(たなか ゆきこ)先生に、その思いや取り組みについて、お話を伺いました。


田中志子先生が「まちづくり」に込める思い

故郷で、子どもたちやその世代と共に生きていきたい
ここ群馬県沼田市は私の故郷で、子どもが生まれて再び住み始めたときに、素敵なところだと改めて感動しました。四季折々の景色は美しく、夜になれば星が瞬き、自然豊かな土地なのです。


私は、「ここで、自分の子どもたちやその世代と一緒に生きていきたい」と思いました。しかし同時に、多くの課題があることにも気がついたのです。たとえば、若者が就職できる大きな企業が少ない、ベビーカーを押して歩ける道路がない、といった地域・社会的な課題です。企業がなければ若者は地元に戻ってこられませんし、住みよい土地がなければ子育てをしたいとは思えないでしょう。

大好きな故郷を限界集落にしないために、どうすればよいのか。一市民として母親として考えながら、自分にできることを模索してきました。その答えが「医療、福祉、介護があり、就労、生活、教育ができるまちをつくる」というものです。
これが、私が病院経営だけでなく「まちづくり」に力を注ぐ理由です。

 

大誠会グループの理念「地域といっしょに。あなたのために。」
私たちは「地域といっしょに。あなたのために。」を理念に、患者さんやそのご家族はもちろんのこと、地域住民やスタッフを笑顔で支え、地域医療を担いたいと考えています。そのために、以下「理念の樹」に示すように、さまざまな活動を行っています。


新しいことに挑戦していると、もちろん失敗することもあります。しかし、ダメだったらやめればいいのです。傍からみて批判するだけの批評家にはなりたくない。だから、たくさんのことに挑戦し、うまくいったものを続けていきたいと思います。


大誠会グループの取り組み

子どもや高齢者、障害のある子どもが交流できる複合施設
関連事業として2007年に社会福祉法人 久仁会を設立し、誰もが住みやすい街をつくるために、高齢者・子育て・障害者支援事業を実施してきました。その一環として、「0歳から100歳まで」をコンセプトに複合施設を運営しています。子どもや高齢者、障害のある子どもたちが交流を図ることで、互いを思いやり支え合う居場所づくりを目指しています。


「認知症にやさしい地域づくり」を推進
私たちは、認知症見守りSOSネットワークと初期集中支援チームの連携による、認知症にやさしい地域づくりを推進しています。

この背景には、2003年に隣村にて認知症の方が行方不明になり、自治体の必死の捜索にもかかわらず発見されなかったことがあります。
これを機に、地域の多くの目で認知症の方を見守るシステムが必要という認識が高まり、行政・有志が集ってネットワーク構築のための検討会議が行われました。私たちは、在宅介護支援センターの立場で当初から積極的に介入し、2005年には、「認知症にやさしい地域づくりネットワーク」が発足しました。

それから、静脈認証の導入など、さまざまな取り組みが行われています。静脈認証とは、生体認証の一種で、手のひらや指の静脈パターンの情報を個人特定に活用する方法です。メリットは、本人が個人情報を忘却または物品を所持していなくても個人を特定できる点や、ほかの生体認証と比べて本人の苦痛が大幅に軽減される点です。

 

地域で進める「みまもりあいプロジェクト」
私たちは、地域で「みまもりあいプロジェクト」を進めています。
みまもりあいプロジェクトは、誰かの緊急事態に対して、地域にいる協力者を募り、皆で助け合う、「見守り合える街」を育てるプロジェクトです。捜索協力支援アプリ(通称:みまもりあいアプリ)と緊急連絡ステッカー(通称:みまもりあいステッカー)を使い、行方不明者の捜索協力を地域住民に呼びかけるシステムを活用します。


具体的な方法は、見守り対象者の衣服や帽子などに、連絡先の電話番号と個別のIDが表記されたステッカーを貼り付けておきます。対象者が外出して戻らないときなどに、家族がアプリを通じて、協力者へ捜索依頼と捜索者情報(対象者の身長や服装などの特徴を示す情報)を発信できる仕組みです。

*「みまもりあいプロジェクト」について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

私たちは、このみまもりアプリと顔認証のシステムを併用し、さらに、既存の「認知症にやさしい地域づくりネットワーク」や「手のひら認証による捜索システム」を活用することで、地域の安心・安全をより簡便に強化し、患者さんが病院や施設からもっと自由に外出できるような環境をつくっていきたいと考えています。
そのために、2019年春までに病院のその周辺地域におけるアプリの普及を進め、地域全体で積極的に「みまもりあいプロジェクト」を進めることを計画しています。

 

職員が笑顔で働けるよう地域を巻き込んだイベントを企画・開催
グループ全体で、「相手を大切にすること」をポリシーにしています。患者さんを笑顔にするためには、職員一人ひとりが笑顔で楽しく働ける環境づくりが必要です。

そのために、まず職員が仕事を楽しめていない場合には、人事異動や体制変更など何らかの介入を入れます。また、地域を巻き込んで、職員が楽しめるイベントを定期的に企画・開催しています。


このような取り組みによって、これからも施設の職員が楽しく働くことを支援し、患者さんを笑顔にできる環境をつくっていきたいと思います。

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