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地域医療構想・これからの病院運営について

京浜病院 院長 熊谷 賴佳先生

熊谷賴佳(くまがい よりよし)先生は、1984年より東京都大田区にある京浜病院で院長を務め、高齢者医療を中心として臨床に力を注ぐ傍、病院経営に携わっています。少子高齢化が進む日本で、今後、病院運営はどのように変容していくのでしょうか。熊谷先生の見解を伺います。


地域医療構想について 熊谷先生の見解

  • 病床機能報告をより明確にする必要がある

当院の医療圏は、東京都の「区南部保健医療圏(大田区、品川区)」です。

病床報告によると、当医療圏は高度急性期病床72%、急性期4%、回復期病床10%、慢性期病床14%と、病床に偏りがあります。そのため、地域医療構想の目標数値である高度急性期17%、急性期35%、回復期27%、慢性期21%、との差が顕著です。

 

ところが一方で、当医療圏における自構想区域完結率は、高度急性期73.6%、急性期77.2%、回復期75.2%と東京都内で最も高い水準を示しています。確かに 慢性期は46.5%と低い値を示していますが、そこには一体どんなカラクリがあるのでしょうか。

私は、自己申告の病床報告と現実の病床機能に乖離があるのではないかと考えています。つまり、「高度急性期」と病床報告をしながらも一般急性期・回復期・慢性期の機能も担う病院がある、ということです。

 

このことから、地域医療構想の数字を適切に設定するためには、病床機能報告をより実態に沿ったものにする必要があると考えています。


これからの病院運営について 熊谷先生の見解

  • 今後、病院はその機能により二分化していく

私見として、今後は、大学病院など高度先進医療を担う病院と、軽症・慢性疾患の急性増悪・維持療法を担う病院、つまり地域包括ケア病棟との二群に分化していくと予想しています。

従来の介護療養型や医療療養型でも軽症の患者さんを入院させている病院は、おそらく「病院」とは呼ばれなくなり、新たに設立された「介護医療院」に置き換わる可能性があります。

 

  • すべての病院に「リハビリ」が必須条件になる?

これからは、おそらくすべての病院でリハビリが必須条件となり、医療+リハビリの形がスタンダードになると予想しています。

なぜなら、武久先生の記事(廃用症候群を予防するために—「本当に安静が必要か?」を考える)にもあるように、入院する高齢者が増加していくなかで、短期間で患者さんをよくして自宅・在宅に移行するためのリハビリは、今後さらに重要な役割を担うと考えられるからです。

 

このような変化によって、急性期病院がリハビリ機能を担う必要性は増大するでしょう。さらに、それ以上時間がかかるケースに対しては、ポストアキュートでリハビリを担う必要があります。

 

  • 自病院を多機能に、あるいは他病院と連携することの必要性

医療+リハビリの形がスタンダードになった場合、「治療設備を持たず、回復期リハビリのみを担う病院」は、生き残りが難しくなる可能性があります。

 

これから病院として生き残るためには、自病院の規模を拡大しあらゆる機能を併せ持つ、あるいは他病院と機能分化+連携することが必要であると考えます。

 

  • 病院の強みを持ち、ブランド力を高めることが大切

病院の規模や形態以外に、それぞれの病院が強みとなる特徴を持ち、ブランド力を高めることも大切です。

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