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「ずっとお家で暮らしたい」を支える、いばらき診療所の取り組み

いばらき診療所 理事長 照沼秀也先生

茨城県内に5箇所の拠点を構え、在宅医療の診療所や訪問看護ステーションを複数展開する、医療法人社団いばらき会いばらき診療所。理事長の照沼秀也先生は、「ずっとお家で暮らしたい、と希望する方々を支えたい」という思いで、日々の診療や経営に向かわれています。いばらき診療所における取り組みや慢性期医療の実践について、お話を伺いました。


医療法人社団いばらき会いばらき診療所の特徴・取り組み

  • 「ずっとお家で暮らしたい」と希望する方々を支えたい

私たちは、茨城県内のおよそ南北100km・東西70kmに広がるエリアのなかで5箇所に診療所の拠点を構え、在宅医療や訪問看護、デイサービス(通所介護)、小規模多機能型施設注1などを展開しています。


これらの取り組みの根底にあるのは、「ずっとお家で暮らしたい、と希望する方々を支えたい」という思いです。

注1)小規模多機能型施設・・・利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、利用者の選択に応じて、施設への「通い(デイサービスなど)」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組み合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行う施設

 

  • 多職種によるチーム医療。栄養管理には力を注ぐ

いばらき診療所には、常勤190名、非常勤82名(計272名)のスタッフに加え、理事を含めた経営スタッフが在籍しており(2018年12月時点)、医師、看護師、作業療法士や理学療法士などのリハビリスタッフ、ソーシャルワーカー、管理栄養士など、多職種によるチーム医療を実践しています。

 

なかでも、在宅医療・訪問看護における栄養管理には特に力を注いでいます。栄養状態が悪いと肺炎などの病気を起こしやすいため、しっかりと栄養管理を行うことが重要です。また、低栄養の方をできるだけ少なくし、口からものを食べられる、あるいは自分で食事ができる状態を維持することが大切だと考えています。

 

  • 在宅医療のなかでお看取りも行う

私たちは、在宅医療のなかで患者さんのお看取りも行います。お看取りの件数は毎年少しずつ増加しており、2017年は年間243件でした。(2017年データ・医療法人社団いばらき会全体)


お看取りの数だけ、患者さんの人生や物語があります。私たちは、一人ひとりの患者さんができるだけ痛みや苦しみを感じることなく、ご家族や大切なものに囲まれて時間を過ごし、最期の瞬間まで「この地域に生きていてよかった」と思えるようなケア・サポートをしたいと、いつも考えています。


いばらき会 いばらき診療所における慢性期医療の実践

  • 摂食・嚥下のケア(1)定期的なワクチン接種

肺炎の予防として、在宅医療の患者さんと診療所のスタッフには、肺炎球菌やインフルエンザウイルスの定期的なワクチン接種を推奨しています。

 

  • 摂食・嚥下のケア(2)嚥下リハビリ

誤嚥性肺炎を起こしやすい方に対しては、同居するご家族に嚥下リハビリの方法を覚えていただき、食べる前の工夫や訓練など、嚥下リハビリを徹底的に行うようにします。

 

しかし、それでも誤嚥性肺炎になってしまった場合には、病院でしっかりと診断・治療を行います。そこで入院が必要と判断された場合、病院の担当医と相談し、できるだけ早く治療を開始します。

 

  • 認知症のケア(1)火事の予防などを含む安全の確保

認知症の方を在宅医療でケアする場合、私たちが最初に行うことは、電磁調理器を自宅に導入するなどの対策を中心とした「火事の予防」です。

認知症によって社会性が欠如すると、お金の管理、排泄の処理、他人とのコミュニケーション、火の後始末などが困難になることがあります。火の後始末をできない場合は火事を起こしてしまうことがあるため、火事の予防など安全対策を行い、周囲への理解を求めることが大切です。

 

  • 認知症のケア(2)ご家族に理解していただく

在宅医療における認知症のケアは、病院におけるそれとは大きく異なりますし、ご家族の理解なしには成り立ちません。そのため、在宅での認知症ケアは、ご家族に認知症のことやケアの方法を理解していただくことがとても大切です。

 

次の記事では、在宅医療の現状や課題、「在宅救急」の取り組みについて伺います。

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