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言語療法士という仕事の魅力とは?

松山リハビリテーション病院 言語療法科科長 河島早苗さん

松山リハビリテーション病院の言語療法科科長を務める、言語聴覚士の河島 早苗(かわしま さなえ)さん。言語聴覚士が国家資格となった当初から、およそ20年間にわたり、同院で言語障害や嚥下(えんげ)障害の支援に取り組んでこられました。科長に就任して以来、管理者としても活躍する河島さんに、言語聴覚士という仕事の魅力を伺いました。


Q河島さんの業務内容を教えてください。

私は、1999年に松山リハビリテーション病院言語療法科に入職し、2019年2月より言語療法科科長を務めています。臨床業務と管理業務を半分ずつ担っており、臨床業務では、成人の失語症、構音障害、高次脳機能障害、認知症、摂食嚥下障害全般に関わっています。

当院の言語聴覚士は、160床の回復期リハビリテーション病棟、116床の一般障害者病棟、50床の地域包括ケア病棟、それぞれに配属されています(2019年11月時点)。


Q臨床業務でやりがいを感じるのはどのようなときですか。

たとえば、回復期リハビリテーション病棟に入院された患者さんは、コミュニケーションや摂食嚥下の機能に障害があったり、急性期を脱したばかりで体調が安定していなかったりします。入院当初は暗い表情をしている患者さんも多いです。

だからこそ、リハビリテーションを行うなかで、患者さんがご自身らしさを少しずつ取り戻してこられる様子が伺えると、私自身も嬉しく思います。「リハビリテーションが楽しかった」と言って退院していただけると、「この仕事をしていてよかった」と大きなやりがいを感じます。


Q臨床業務で工夫されていることは何ですか。

リハビリテーションは基本的に担当制で、患者さん一人ひとりの入院から退院まで、同じ言語聴覚士が訓練を担当します。ただし、回復期リハビリテーション病棟は365日稼働していますから、休みの日はほかの言語聴覚士に担当を代わってもらうことになります。そこで、担当ではない患者さんの訓練もスムーズに行えるよう、普段行っている訓練や患者さんの体調面で配慮すべき事項などをまとめた“申し送り用紙”を必ず作成しています。

申し送り用紙を確認すれば、その患者さんの対応に慣れていない言語聴覚士でもよりスムーズに訓練を行うことができますし、患者さんにとっても、いつもと同じ内容のリハビリテーションを受けられることがメリットです。若手の言語聴覚士にとっては、先輩のやり方を学べる機会にもなっていると思います。


Q河島さんにとっての仕事の魅力を教えてください。

私はこれまで、病院の言語聴覚士という仕事を20年間にわたって続けてきました(2019年11月時点)。1つの職場に20年も勤めていると、同じ患者さんに何度か関わることがあります。それが、1つの職場で働き続ける魅力ではないかと思っています。

たとえば、退院された方が病気を再発して当院へ戻ってこられたり、在宅生活と入院を繰り返していらっしゃったりすることがあります。初めてお会いしたときは患者さんの介護をする側だった方が、今度はご自身の手術のために入院して来られることもあります。このように、1人の患者さんの生活を長く支えていけることは大きなやりがいです。

また、初めてお会いする患者さんについても、患者さん一人ひとりの問題はその方だけが抱えているものですから、“慣れる”ということがありません。常に学び続けることができるところも、魅力の1つだと思います。


Q言語療法科科長に就任した経緯を教えてください。

当院で言語療法科科長を最初に務めたのは、私の直属の上司であり、四国で最初に言語聴覚士になった久保田 鈴香(くぼた すずか)さんです。言語療法科が設置された1981年から33年間にわたり、当科を引っ張ってこられました。その後は、別の言語聴覚士が5年間科長を務めましたが、経営企画室に異動して病院全体の運営にも関わるようになったことを受け、私が科長に就任することとなりました。

私としては、定年を迎えるまで臨床を続けていくつもりでいたので、管理職への昇進のお話を聞いたときはまさに青天の霹靂でした。しかし、久保田さんが退職されたことで、当院でもっとも臨床経験が長いのは私、ということになってしまったのです。「私がやらなければ周りの方にいろいろな責任を負わせてしまう」と考えて、科長を引き受けることを決心しました。


Q言語療法科科長としての展望をお聞かせください。

今はまだ先輩に及ばないながらも、当科のスタッフに生き生きと働いてもらうためにはどうしたらよいだろうと、常に考えるようにしています。

私自身、当院に勤めている20年の間にライフステージの変化があり、その時々の自分に見合った働き方を選択してきました。現在はフルタイムで働いていますが、子どもが小さいときは時短勤務させていただいたこともあり、今度は管理業務を担う立場として、お返ししていかなければならないと思っています。スタッフの皆さんが長く働いていけるような環境づくりに、引き続き尽力していきます。


Q言語療法士として働く方へのメッセージをお願いいたします。

仕事と家事や育児の両立は大変だと思いますが、ライフスタイルの変化のなかで学んだことは、臨床の場に戻ってきたときに必ず役立ちます。私も、自分が“妻”や“親”という立場を経験したことで、患者さんやご家族のお話により共感したり、寄り添って接したりできた場面がたくさんありました。たとえば、若い頃は理想的なリハビリテーションを提供したいと思っていましたが、子育ての経験を通して、「自宅では理想的なことなんてやっていられない」と考えが変わったことを覚えています。

言語聴覚士の資格があれば、さまざまな場所で活躍できます。ぜひ、この分野で長く活躍していってください。

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