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異国で、介護福祉士として働くクリセルダさんのあゆみ――フィリピンから日本へ

京都南西病院 介護福祉士 クリセルダ・フリアス・ソリャノ様

一般財団法人 仁風会が運営する京都南西病院。介護療養、医療療養、地域包括ケアという3つの病棟を備えてさまざまな患者さんの治療やケアを行う同院は、JICWELS(国際厚生事業団)やメディカ出版を通じてフィリピンから来日した方をケアワーカーとして採用するなど、外国人介護人材の支援に積極的に取り組んでいます。その貴重な外国人介護人材のうちの一人が、クリセルダ・フリアス・ソリャノさんです。2009年に来日して介護福祉士の国家資格を取得し、京都南西病院で働くクリセルダ・フリアス・ソリャノさんに、これまでのあゆみや介護福祉士という仕事を志した理由についてお話を伺いました。


Q これまでのあゆみ、キャリアについてお聞かせください

私は、フィリピン北部ルソン島にあるパンガシナン州の生まれです。1994年にパンガシナン州にあるVirgen Milagrosa University Foundationの看護学部を卒業しました。卒業後はマニラの病院でボランティアナースとして2年間活動したのち、パンガシナン州に戻り、2つの病院で働きました。プライベートナース(個人と契約を結んで専従する看護師)の経験もあります。


Q なぜ看護師(ナース)、介護福祉士(ケアワーカー)を志したのですか?

私は、ナースやケアワーカーの仕事ほど尊いものはないと思っています。そして、人のお世話をすることが好きな私にとって、この2つの職業の仕事内容は、自分の心そのものに近いのです。

もともとフィリピンで、子どもの頃からナースを目指していました。私には、白いユニフォームが輝いて見えました。人のお世話をできるなんて、そんな素敵な仕事はほかにはないと思ったのです。フィリピンでは、ナースの仕事は貴重なものだと思われています。そして、家族みんなお年寄りのお世話をするのが当たり前という感覚です。


Q クリセルダさんのご家族のお話

夫とはフィリピンで出会い、結婚して、日本に来るまでは韓国で一緒に働いていました。子どもは2人いて、フィリピンにいたときに息子が生まれ、その後、韓国にいるときに娘が生まれました。

子どもたちは祖父母と共にフィリピンで暮らしていましたが、2018年からは息子も京都南西病院で営繕担当として働いていますし、夫も日本に来て一緒に暮らしていますので、嬉しいです。毎週日曜日には、ふたりで教会に行き、お祈りをしています。


Q フィリピンから来日され、京都南西病院で働くようになったきっかけ

来日する前は、出身大学の看護学部で学生を指導していました。その頃に夫のお姉さんから「日本で仕事をしないか」と誘われたことが、来日のきっかけです。

そして、JICWELS(国際厚生事業団)を通じて来日し、日本語と介護の勉強をしました。勤務地を選ぶとき、神戸や名古屋など、いくつかの選択肢があり、ここ京都南西病院を選びました。そしてビデオのインタビュー映像を通じて、採用してもらったのです。日本で働いて、今年で10年目になります(2019年11月時点)。


Q 印象的だった出来事について

フィリピンの平均寿命は、日本ほど長くありません(平均寿命:およそ69歳)。ですから、日本の病院で働き始めたときに100歳の患者さんと会って、非常に驚きました。

 

それから、理事長の清水紘先生があるイベントでお話しされた、「スキルがあっても、心がなければ意味がない」という言葉にとても感動しました。職員に仕事を教えるとき、私はスキルばかりを教えていたことに気がついたのです。スキルだけではなく、心を含めて教えないといけない、と思いました。


Q 仕事におけるポリシーとその理由について

 

常に患者さんの立場に立って、その方が元気で安全でいられるように心がけ、行動しています。その患者さんはどんなことができそうか、自分がその立場ならどうして欲しいのかを考えます。たとえば、お茶碗で食べにくそうに食事をしていたら、食器を食べやすいものに変更するといった工夫をします。


Q これからの目標について

チャンスがあれば、日本でナースの資格を取りたいです。そのためには、もう少し日本語のレベルを上げる必要があるので、日々の業務に加えて、日本語の勉強もがんばります。


Q 10年間、共に働いている加藤泰子さん(看護部長)より

 

クリセルダさんは、フィリピンから当院に来てくれた初めての職員の一人です。外国から来てくれた方々は、皆さん朗らかで、よく笑う方々ばかりです。皆さんに一目会ったときから「大丈夫だ」と実感しました。

当時はまだ30歳代の方が多く、クリセルダさんを含め、幼い子どもをフィリピンに残して日本に来てくれた方が何人もいました。そのようなお話を聞けば聞くほど、支えたいと思いましたし、一緒にがんばろうと思いました。

 

クリセルダさんたちが働き始めるとき、患者さんや職員らには、高齢化が進むなかで日本人の人手が不足していることや、フィリピンから来た皆さんが人手不足に悩む我々を助けに来てくれたことをきちんと説明しました。患者さんたちはすぐに理解して、受け入れてくれました。また、職員の中には、何か力になりたいと、日本語の勉強を手伝う者や、フィリピンでは珍しい厚手の冬服などを提供してくれる者たちがいました。

 

クリセルダさんは、日本語で介護福祉士の資格を取り、こうして当院で働いてくれるとても優秀な方です。真面目で何事にも一生懸命なので、一緒に働いていて本当に助かります。当院にとって、大きな戦力です。これからも力を合わせて、患者さんのケアに尽力したいです。

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