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山本左近さんの考える、日本の医療・介護・福祉における課題と展望

さわらびグループ CEO 山本左近さん

愛知県豊橋市にて「福祉村」を運営する、さわらびグループ。同グループCEOを務める山本左近さんは「困っている人にきちんと手を差し伸べられる社会保障システムを構築するべき」といいます。日本の医療・介護・福祉における課題と展望について、お話を伺いました。


日本の医療・介護・福祉における課題

  • 人口構造の変化に対応できる社会システムを構築していく

これからの日本における課題は、少子高齢化と人口減少が進むなかで、それら構造の変化に対応できる社会システムを構築することだと考えています。

 

現行の医療制度、介護保険制度の基盤は、戦後の人口拡大を前提に形成されました。しかし、少子高齢化と人口減少が進み、これからさらに社会構造が変化していくことは明らかです。そのようななか、これまでと同じ社会システムのままで対応し続けられるはずがありません。移りゆく人口動態を前提に、その変化に対応できる社会システムを構築していく必要があるのです。

 

  • 「困っている人にきちんと手を差し伸べられる」社会保障システムを

基本的に、社会保障システムは「困っている人にきちんと手を差し伸べられる」ものであるべきです。そのため、セーフティネットの網目はできる限り細かくあるべきだと考えます。もしそこからこぼれ落ちていく人がいたなら、それは制度として未完成といえるでしょう。


医療・介護・福祉業界における人材不足を解決するために

  • テクノロジーの導入による業務補完を進めていく

医療、介護、福祉それぞれの側面で課題は山積していますが、現場目線でみると、人材不足の問題は深刻です。人材不足の解決策としては、働き手を確保する、もしくは1人あたりの労働生産性を向上させること、この2つ以外にないでしょう。

 

働き手の確保が課題である一方で、日本人の労働人口は減少しています。このようななか、2018年末に行われた外国人人材に関する法整備によって、介護業界における外国人人材の確保が進む見通しが立ちました。


しかしながら、外国人人材だけで完全に人材不足が解消できるわけではありません。ほかにも、一人ひとりの働き方改革や、業務改善など、より効率的に働ける環境をつくることが必要です。1つの事例として、テクノロジーの導入による業務補完・効率化が有用だと考えています。

 

介護×テクノロジーといえば介護ロボットなどのイメージがありますが、まずは、業務の優先順位を判断してくれるセンサーのようなものが第一歩ではないかと考えています。たとえば、ナースコールが2件同時にかかってきたとき、その内容に応じて即座に対応の順番を判断してくれるテクノロジーがあれば、現場の負担は減り、適切かつ迅速な対応が可能になります。

 

人は、マルチタスキングが発生するとき「忙しい」と感じるものです。その状況を避けることは難しくても、あらゆるタスクの優先順位を示してくれるテクノロジーさえあれば、1つ1つの業務をスムーズに遂行できます。

このように、1から100までテクノロジーに頼るのではなく、テクノロジーが補完する業務を適切に選んでいくことも必要です。このことが、限られた財源や人材の効率的な分配につながっていくでしょう。

 

  • 介護という仕事のイメージを変えていきたい

もう1つの視点として、介護という仕事のイメージを変えていく必要があると感じています。介護とは、人に寄り添い、その方の尊厳を守り、最後まで幸せを守る、非常に価値ある仕事です。そして、これだけ需要があるのですから、もっと社会的に評価されるべきだと思います。その実現のためには、介護の仕事に携わる方々の処遇改善や労働環境の改善を図るのはもちろんのこと、先に述べたように、介護業界でテクノロジーをうまく導入して業務改善・効率化することが重要になるでしょう。

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