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医系技官とは?初代医務技監に就任された 鈴木康裕先生が語るその魅力

厚生労働省 医務技監 鈴木康裕先生

「医系技官(いけいぎかん)」とは、医師免許・歯科医師免許を有し、専門知識を持って保健医療の制度づくりを担う技術系行政官です。厚生労働省は2017年に、医学的知見に基づき厚生労働省の所掌事務を総括する職として、事務次官級の「医務技監(いむぎかん)」を新設しました。本記事では、初の医務技監に就任された鈴木康裕先生にお話を伺います。


鈴木康裕先生はなぜ医系技官の道に進んだのか?

医学生時代には、「目の前の患者さんを自分の手で治したい」という気持ちから、外科医を志していました。ところが、医学部6年目の頃に訪れた南米で、臨床医として腕を磨いただけでは救えない人々が大勢いるという現実を目の当たりにします。病気や怪我で苦しんでいる人を救いたいとどんなに強く思っても、体制が整っていなければ、医師は無力になり得る—。この経験から私は、広い視点で医療に携わることを心に決めました。そして、大学を卒業後すぐに、医系技官の道に進みました。

 

医系技官は行政官ですから、ほぼ2~3年ごとに人事異動があります。本省のみならず、他省庁や地方自治体への出向、海外への留学・国際機関への勤務など、幅広く経験させてもらいました。

省内では、精神保健、環境保健、食品保健、医薬品の研究開発、介護・医療保険、医療科学技術など、ジェネラル・マネージャーとなるために必要な修行の機会を得ました。

 

行政官には、「何をなすべきか」とともに「それをどう実現するのか」という構想力と実行力を併せ持つことが必要と考えます。


医系技官とは?

  • 医師(歯科医師)の免許を有し、保健医療の制度づくりにかかわる

医系技官とは、人々の健康を守ることを目的として、医師免許・歯科医師免許を有し、その専門知識を持って保健医療に関わる制度づくりの中心となる技術系行政官を指します。

 

医療の現場で培った臨床スキルや知識を活かせる仕事

医師・歯科医師は、臨床現場では患者さんの状態を診断し、可能な方策を立てたうえで多職種と連携し、治療を進めます。一方、行政の仕事も、国民の声を聞いて問題を同定し、解決策を審議会などで合意形成して政策を実行します。このように、医療と行政の仕事は問題解決のプロセスが似ているのです。そのため、臨床の現場で培ったスキルや知識は、医系技官の仕事で大いに活かされるでしょう。


医系技官という仕事の面白さ・やりがい

  • 日本にとどまらず国際的に活躍できるチャンスもある

医系技官の仕事には、日本の医療・介護制度を持続可能なものにするという大きな使命とやりがいがあります。それに加えて、エボラ熱、新型インフルエンザが発生した際の対策の立案などのように、日本という枠にとらわれず国際的に活躍できるチャンスがあります。広い視点で物事を捉え、人々のために働く面白さが魅力といえるでしょう。

実際、厚生労働省からWHO(世界保健機関)に移り、スイスのジュネーブにある本部や、マニラの西太平洋事務局で活躍されている医系技官もいます。また、米ハーバード大学等、海外の公衆衛生大学院などへ留学するチャンスもあります。


若手医師・医学生のみなさんへメッセージ

  • 幅広い経験を積み、医師としての守備範囲を広げて欲しい

医系技官を含めて、これからの医師にはさまざまなキャリアの可能性があります。ぜひ若手医師・医学生のみなさんには、早いうちから幅広い経験を積み、自身の守備範囲を広げていただきたいと考えます。

幅広い経験は臨床医として活躍するうえでも役立つはずです。臨床医は、患者さんの病気を自ら診断し、さまざまな決断をしながら治療を進めていく必要があるため、非常に責任の重い仕事といえます。そのため、専門性を磨くのはもちろんのこと、視野の広さも必要となるでしょう。

また、厚生労働省では現場サイドと政策サイド双方の研鑽を深めるため、数年単位で人事交流を行っています。臨床医としてキャリアを積む予定の方にとって、数年でも厚生労働省にいることは、総じてみれば大きなプラスになるでしょう。

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