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介護福祉士という仕事の魅力とは?――フィリピンから来日し、京都南西病院で活躍するクリセルダさんの思い

京都南西病院 介護福祉士 クリセルダ・フリアス・ソリャノ様

一般財団法人 仁風会が運営する京都南西病院。介護療養、医療療養、地域包括ケアという3つの病棟を備えてさまざまな患者さんの治療やケアを行う同院は、JICWELS(国際厚生事業団)やメディカ出版を通じてフィリピンから来日した方をケアワーカーとして採用するなど、外国人介護人材の支援に積極的に取り組んでいます。その貴重な外国人介護人材のうちの一人が、クリセルダ・フリアス・ソリャノさんです。2009年に来日して介護福祉士の国家資格を取得し、京都南西病院で働くクリセルダ・フリアス・ソリャノさんに、介護福祉士という仕事の魅力や喜びについてお話を伺いました。


Q クリセルダさんの現在の業務を教えてください

私は現在、看護部に所属し、介護福祉士(ケアワーカー)として働いています。日本で、日本語を使って介護福祉士の資格を取りました。

業務は、主に患者さんの食事や入浴、着替え、排泄などの補助を行う身体介助を行っています。そのほかに、フィリピンから来た新しい職員に業務を教える仕事も担当しています。フィリピンから来ているスタッフは、私を含めて5名います(2019年11月時点)。

 

当院には、135床(介護療養59床、医療療養38床、地域包括ケア病棟38床)の病床があり、主に、介護療養と医療療養の病床を担当しています。


Q 介護福祉士として、やりがいや喜びを感じるときはどのようなときですか?

患者さんに満足していただいたときに、喜びを感じます。そして、退院された患者さんが通院で外来に訪れた際に、私の名前を呼んでくださったり、「ダンさん!(クリセルダさんの愛称)」と声をかけてくださったりすることがあると、とても嬉しくなります。

また、毎日の仕事のなかでは、患者さんの体と心の状態を理解しようといつも心がけているので、患者さんが元気になって笑ってくれたときには、とても嬉しいですね。

 


Q 介護福祉士として、大変さを感じるときはいつですか?

患者さんとはいつもコミュニケーションをとっているので、お互いに言葉が伝わりやすくなっていると思うのですが、患者さんのご家族から突然質問を受けて答えるとき、日本語でうまく伝えられたかどうか不安になります。そのようなときには、看護師さんを通じて内容を伝えてもらうこともあります。


Q 介護福祉士という仕事の魅力について教えてください

 

私は、昔から人のお世話をすることが好きでした。患者さんから笑顔で「ありがとう」と言われたり、「助かりました」と感謝されたりすると、たとえ生まれ育った国が違っても、人の役に立てている実感が湧きます。そのようなときは、介護の仕事をしていてよかったと思います。


Q 日本で介護福祉士として働き、苦労したこと

たくさん苦労したことがあります。なかでも、一番大変だったのは、日本語でのコミュニケーションと、フィリピンと日本の習慣や文化の違いです。

介護福祉士の試験は、専門的な言葉ばかりだったので難しかったです。たとえば「褥瘡(じょくそう)」、「仰臥位(ぎょうがい)」なども漢字で出てくるので、一生懸命覚えました。また、日本語の文法は難しくて、音は読めても意味が分からないことがあります。話したいことや伝えたいことはたくさんあるのに、相手にうまく伝わらない。それが、とてももどかしかったです。ですから、働きながら、たくさん日本語を勉強しました。できるだけ患者さんとコミュニケーションをとり、患者さんを理解しようとすると同時に、自分の思いや気持ちをできるだけ相手に伝えようと努力しました。

 

生活のなかでは、日本は印鑑をよく使う社会なので、フィリピンでのサインの文化が通じなくて苦労しました。あとは、定期的に入国管理局へ行き、在留カードを更新する必要があります。このような日本での生活に関して苦労したことなどを、今では、私と同じくフィリピンから来た職員たちにいろいろと教えています。


Q 同じ分野で働く方々へのメッセージをお願いします

最近では、日本で介護の仕事をしたいというフィリピンの学生たちの指導もしています。初めての国、初めての仕事でとても不安な彼らの気持ちを支え、さらに、病院での仕事の内容や役割を伝え、自分が楽しく働いている姿を見せることで、彼らにも、日本で働くやりがいや、介護福祉士という仕事の素晴らしさを伝えたいと思っています。

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