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グループ内の医療・介護の連携によるシームレスなサービス提供の実現――多機能施設を持つ金上(かながみ)仁友会

医療法人 金上仁友会 理事長/金上病院 院長 安藤 正夫先生

宮城県角田市において、医療・介護サービスを展開する医療法人 金上(かながみ)仁友会。同法人の核となる金上病院を中心に、法人内の施設や地域の高度急性期病院と協力しながら、住民が医療と介護に困らない地域づくりに大きく貢献しています。今回は、医療法人 金上仁友会 理事長/金上病院 院長である安藤 正夫(あんどう まさお)先生に、金上仁友会で行う医療・介護の連携について伺いました。


金上病院を核として、地域で医療・介護サービスが完結できる体制

金上仁友会では、地域多機能病院としての金上病院を中心に、介護サービスなどを提供する複数の併設施設とともに、医療・介護をトータルに提供できるよう努めています。また、同じ仙南医療圏の急性期医療の拠点であるみやぎ県南中核病院と密に連携を取ることで、急性期医療から慢性期医療までを地域の中でほぼ完結できる体制が構築されています。


医療・介護サービス展開の背景――人々が住み慣れた場所で安心して自分らしく暮らし続けられるように

金上グループでは、以下のようなサービスを展開しています(2022年現在)。

 

  • 介護老人保健施設ゆうゆうホーム
  • 居宅介護支援事業所ゆうゆう
  • 認知症高齢者グループホームむくげ・花水木(住まい系)
  • サービス付き高齢者向け住宅けやきの杜(住まい系)
  • 住宅型有料老人ホームタンポポ(住まい系)
  • 訪問看護ステーション金上(訪問系)
  • 看護小規模多機能型居宅介護金上(訪問系)
  • 定期巡回・随時対応型 ヘルパーステーション金上(訪問系)
  • 介護福祉ショップ
  • 保育園

 

このうち最初に開設したのは介護老人保健施設ゆうゆうホーム(1988年開設)で、それから居宅介護支援事業所やグループホームのサービスなどを展開してきました。その後、医療費適正化など医療制度改革による平均在院日数の短縮に向けた動きが進んできたことや、独居・老老・認認世帯の増加もあり、住まい系サービスと訪問系サービスを開設し、その拡充を進めました。

 

安藤正夫先生ご提供

 

このようにグループ内で幅広いサービスを展開してきた背景の1つに、「地域包括ケアシステム」の構築があります。地域包括ケアシステムとは、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体となり提供される体制のことです。人々が可能な限り住み慣れた地域で自分らしく暮らしていけるよう、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、各地の自治体により地域包括ケアシステムの構築と深化が求められています。

しかし、当グループのある地域では、各医療機関や医師会などと、行政との間での地域包括ケアシステムの構築があまり進んでいない現状がありました。「誰かが中心となり、地域に暮らす人が安心して医療・介護サービスを受けられる体制を整える必要があるだろう」と考え、グループ内で医療・介護のシームレスなサービスを提供すべく、ここ10年ほどで基盤整備を進めてきたのです。現在では、このあたりの地域では行われていない24時間定期巡回を取り入れたりするなどして、細かなニーズにも応えられるよう、サービスの充実に努めています。


法人内の各施設間で密に連携を取り、臨機応変に必要な利用サービスを変更

1人の患者さんあるいは利用者さんに対し、グループ内でトータルにサービスを提供することで、その方の病状や社会的背景について各施設の担当者が常に共通認識を持てていることは大きな特長でしょう。患者さんの病状が変わったときには、各施設で連携を取り、できるだけリアルタイムに利用者さんにとって最も適切なサービスに変更できるよう努めています。

状態が悪化した場合は、病院やより手厚い介護が受けられる施設へと迅速に転院・転所できるよう手配します。また逆に、周辺症状が顕著だった認知症患者さんでも、介護老人保健施設に入所し症状が落ち着いてくれば、グループホームに移って共同生活をしてもらうことも可能です。グループホームでの共同生活や利用者さん同士のコミュニケーションを通じて、認知症の進行を抑えることも期待できます。

こうしたスムーズな転院や施設入所を行うために、Webでのビデオ会議システムを用いながら、週に2回各部署の職員や病棟看護師が参加するベッドコントロール委員会を開催しています。また、各施設に関する情報収集や手続きを一箇所に集約させて患者さんや利用者さんとのご利用サービスの選択をサポートする目的で「金上グループ連携センター」も設置しています。

 

安藤正夫先生ご提供 ベッドコントロール会議の様子


同じ主治医、担当者のもとで医療・介護を受け続けられる安心を

グループ全体で1人の患者さんや利用者さんを診ていると、利用サービスが変わったとしても、同じ主治医や担当者が継続的に関わり続けることができます。また、リハビリテーションについても、入院中から通所リハビリテーションの様子を見学しに行ったり、入院中の患者さんに通所リハビリテーションの担当者が挨拶に来たりなど、施設間のコミュニケーションも自由かつ円滑に行っています。病状が変わって受けるサービスが変わっても、同じ担当者が診てくれる安心感は、患者さんや利用者さん、またご家族にとって大きなものだと思います。地域の医療機関や介護施設とも連携し、訪問系サービスを通して地域全体を支えていくチームの一翼を担うことも目指しています。まだまだ解決しなければならない課題も多くありますが、患者さんがこの地域で安心して住み続けられるよう、医療・介護の連携によりシームレスなサービス提供をしていくことが私たちの使命です。

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